2018年5月18日に発売されたZenFone 5Qをレビューします。ZenFone5Gは発売当時としては比較的高性能なCPU、それとベゼルレスの縦長6インチディスプレイを搭載したDSDS対応の格安スマホです。
ZenFone 5Qはドコモ回線の格安SIM、ソフトバンク回線の格安SIM、au回線の格安SIMで使えます。
※ ベゼルレス:画面の周りに余白の少ないこと。大きな画面を搭載する場合でも、本体サイズを抑えることが出来ます。
ーーー 以下2018年時点の評価 ーーー
価格は3万9800円で、CPUはオクタコアのSnapdragon 630、RAM4GB、ROM64GB、6インチ、DSDS対応(auのVoLTEにも対応)、インカメラが2つあり自撮りに強いカメラ構成になっています。
自撮りに強いのでインスタをよく使う人や、比較的高性能なスマホでDSDSを使いたい場合にZenFone 5Qがオススメです。
ZenFone5Qは一般的な使い方はもちろん、少しヘビーな使い方をする場合でも十分な性能になっています。
目次
ZenFone5Qの詳細スペック(性能)
ZenFone5Q ZC600KL | |
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CPU | Snapdragon 630 オクタコア2.2GHz |
GPU | Adreno 508 |
RAM | 4GB |
ROM | 64GB |
ディスプレイ | 6インチ |
解像度 | 2160×1080、18:9 |
カメラ | 背面1600万画素+800万画素広角/前面2000万画素+800万画素広角 |
電池容量 | 3300mAh |
サイズ | 160.5 × 76 × 7.7mm |
重さ | 168グラム |
連続待受 | 540時間 |
充電時間 | 2.5時間 |
本体カラー | ルージュレッド、ムーンライトホワイト、ミッドナイトブラック |
発売日 | 2018年5月18日 |
価格(税別) | 3万9800円 |
Android 7.1.1 (Android 9へアップデート可)、SIMフリー、テザリング対応、外部マイクロSD(最大2TB)、指紋認証(背面)、ジャイロスコープ対応、WiFi 802.11a/b/g/n/ac対応、USB Type C 2.0非対応、CA対応
デュアルSIM:ナノSIMx2、DSDS対応、auのVoLTE対応、DSDSとマイクロSDの同時使用可
ZenFone5Qで使える格安SIMのまとめ
ZenFone5Qの対応周波数(バンド)
FDD-LTE: B1/2/3/5/7/8/18/19/28 (auのVoLTE対応)
TD-LTE: B38/39/41
W-CDMA: B1/2/3/5/6/8/19
キャリアアグリゲーション: 2CA対応
ZenFone5Qはドコモ回線の格安SIM、ソフトバンク回線の格安SIM、au回線の格安SIMで使えます。
SIMのサイズはナノSIM、またはマルチSIMです。
格安SIMを持っていない場合は、下記のキャンペーンを参考に格安SIMを選ぶことをオススメします。通信速度を重視する場合は、格安SIMの速度ランキングの記録を参考にしてみてください。
2018年発売時のZenFone 5Qの性能レビュー
比較的高性能なCPUを搭載
ZenFone 5QのCPUはSnapdragon(通称スナドラ) 630、オクタコア2.2GHzです。
少し前までは高性能なCPUだったのですが、CPUの性能アップのペースが速いため比較的高性能と言った感じです
普通程度に使いたい場合ならスナドラ430でも普通に使えます。LINE、Twitter、Facebook、インスタ、メール、パズドラ、ツムツム、モンストなどなど一般的な使い方なら特に問題ありません。
高度なゲームでも比較的普通にプレイできる
ZenFone 5Qでもほとんどのゲームを快適に遊べるし、だいたいの高度なゲームでも普通に遊べます。多少ヘビーな使い方をしても困ることはほとんど考えられません。
かなりヘビーに使いたい場合は、ZenFone 5QよりCPUの性能がかなり良くなっているZenFone 5が無難です。
ZenFone 5QのAntutuスコア
ZenFone 5QのAntutuスコアは88,000程度だそうです。GPUのスコアは20,000程度。
2021年版:超ざっくりしたCPUの性能表(SoCの性能)
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超高性能 |
Snapdragon:SDM845、SDM855、SDM865
Kirin:Kirin990
iPhone:XR、XS、XS Max、SE 第2世代、11、11Pro、11Pro Max、12、12mini、12Pro、12Pro Max
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高性能 |
Snapdragon:SDM730、SDM730G、SDM690 5G、SDM720G、SDM765G、SDM835
Kirin:Kirin970、Kirin980
iPhone:8、X
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比較的高性能 |
Snapdragon:SDM662、SDM665、SDM660、SD820、SDM670、SDM675、SDM710
Kirin:Kirin950、Kirin955、Kirin960、Kirin810
iPhone:7
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普通性能 |
Snapdragon:SD630、SDM632、SD650、SDM636
Kirin:Kirin710
Galaxy:Exynos7904、Exynos7885
iPhone:6s、SE 第1世代
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低性能 |
Snapdragon:SDM450、SD625、SDM439
Kirin:Kirin650、Kirin655、Kirin658、Kirin659
Galaxy:Exynos7884B
iPhone:5s、6
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最底辺 |
Snapdragon:SD400、SD410、SD430、SD435
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※ 右に行くほど高性能
スマホをあまり使わない場合は低性能のCPUでも十分に使えます。
スマホを普通程度に使う場合は普通性能のCPUでも普通に使えます。一般的なゲームなら普通性能でも遊べます。
スマホを人よりも少し多く使う場合は比較的高性能以上を選びます。スマホがよりサクサク動くようになります。重い3Dゲームが好きな場合は高性能以上を選びます。
スマホをたくさん使う場合で常にヌルヌルサクサク使いたい場合、またはゲーム性能を最重視する場合は超高性能を選びます。
RAM4GBとROM64GBを搭載
ZenFone 5QはRAM4GBとROM64GBを搭載しています。
DSDSとマイクロSDカードを同時に使える
ZenFone 5QはDSDSで格安SIMを2枚使いながら、マイクロSDカードを使うことができます。(もしくはFOMAカードと格安SIM+マイクロSDカードの組み合わせも可)
ZenFone 5はDSDVに対応していますが、DSDVで格安SIMを2枚使うとマイクロSDカードを入れる場所がなくなるので注意してください。
両方ともROMが64GBもあるので、マイクロSDカードが必要になることはあまりないと思いますが・・。
DSDSとDSDVの主な違い
ドコモのFOMAカードを使いたい場合はDSDSしか使えません。DSDVだとFOMAシムを読み込まない可能性が高いです。
DSDSだとau系の格安SIMを2枚便利に使うことができません。DSDVだとau系の格安SIMを2枚便利に使うことができます。
大画面の6インチのディスプレイを搭載
ZenFone 5Qは6インチの縦長画面(18:9)を搭載しています。
ZenFone 4:155.4 × 75.2 × 7.5mm 重さ165グラム 画面5.5インチ
ZenFone 5:153 × 75.6 × 7.7mm 重さ165グラム 画面6.2インチ
ZenFone 5Q:160.5 × 76 × 7.7mm 重さ168グラム 画面6インチ
ZenFone 5QはZenFone 4よりも高さが5.1ミリ大きくなりましたが、画面が12.7ミリ伸びています。ZenFone 5QはZenFone 4と比べると上下の余白が少なくなっています。
ZenFone 5はZenFone 5Qよりもさらに上下の余白を少なくして、ノッチ付きにすることで、画面を広く、そして本体サイズを抑えることができています。
ZenFone 5とZenFone 5Qの液晶の違い
ZenFone 5Qは通常のIPS液晶を使っていますが、ZenFone 5はSuper IPS液晶を使っています。Super IPSは通常のIPS液晶よりも発色が良いので画面が少し鮮やかになります。
液晶の表面はZenFone 5には、強化ガラスのGorilla Glass 3が使われていて割れにくくなっています。ZenFone 5Qには何も記載がないので、通常の強化ガラスを使っていると思われます。
自撮りに強いカメラ性能
ZenFone5Q ZC600KLのカメラ性能
背面1600万画素+800万画素広角
前面2000万画素+800万画素広角
ZenFone5のカメラ性能
・背面1200万画素(F値1.8/1.4μm、1/2.55インチ)+800万画素広角(F値2.2)
・前面800万画素
ZenFone5Qのほうが画素数ではZenFone5よりも上回っていますが、カメラ性能を比較する上で画素数はあまり役に立ちません。
ざっくり評価してしまえば、お金を出せば出すほどカメラの実性能が良くなります。
ZenFone5Qは3万9800円、ZenFone5は5万2800円。まず間違いなくZenFone5の方がカメラ性能が良いです。ただ、カメラ性能は少し良いくらいで十分な場合は、ZenFone5Qでも大丈夫です。
2倍の広さで撮れる広角カメラを前面と背面に搭載
ZenFone 4にも搭載されていましたが、ZenFone 5にも2倍の広さで撮れる広角カメラを搭載しています。風景いっぱいの写真を撮るのに便利です。
ZenFone5Qは自撮りに強い
ZenFone5Qはインカメラに2000万画素+800万画素広角の2つのカメラを使っています。インスタなどで自撮り性能を重視する場合に、ZenFone5Qがオススメです。
電子式手ブレ補正と光学手ぶれ補正の違い
手が少しブレても、電子式手ブレ補正や光学手ぶれ補正があれば綺麗に撮ることができます。
明るいところでは電子式手ブレ補正や光学手ぶれ補正でもそんなには違いはないのですが、暗いところだと光学手ぶれ補正の方がブレを抑えて綺麗に写真を撮ることが出来ます。
ZenFone5Q:電子式手ブレ補正対応
ZenFone5:光学手ぶれ補正対応
他には、ZenFone5ならAIシーン分析という機能がついていて、被写体によって最適なカメラ設定を自動的に行うことが出来ます。ZenFone5Qにはこの機能は付いていません。
電池持ちは結構良い
ZenFone 4
5.5インチ、3300mAh、Snapdragon 660、WiFi駆動18.7時間、連続待受531.7時間
ZenFone 5
6.2インチ、3300mAh、Snapdragon 636、WiFi駆動15.7時間、連続待受495時間
ZenFone 5Q
6インチ、3300mAh、Snapdragon 630、WiFi駆動16.1時間、連続待受540時間
※ WiFi駆動は、WiFiでWebサイトを閲覧した場合の電池の持ちです。
ZenFone 5Qの電池持ちはZenFone 4とあまり変わらない感じです。少したくさん使う場合でもZenFone 5Qで十分に1日持ちます。
GPSの精度
基本的に最近の格安スマホはGPSの精度が良いです。GPSの精度が悪いスマホはここしばらく見たことありません。
実売価格が2万円を切っているスマホだと、GPSの精度が良くないスマホが混じっている場合がありますが、2万円以上のスマホでGPSの精度が悪い格安スマホはほとんどないです。
ZenFone 5QのGPSの精度は心配しなくていいです。
ZenFone 5QはGPS / Glonass / Beidouに対応しています。ZenFone 5ならこれらに加えてGalileoにも対応しています。
指紋認証と顔認証に対応
ZenFone 5Qは背面に指紋認証のセンサーが付いています。それに加えて、顔認証にも対応しています。
顔認証はセキュリティ面で少し不安な点がありますが、手袋をしている状態でも顔認証で画面のスリープを解除できるので手袋をすることが多い場合は、便利な機能です。
他には指紋が薄すぎて、指紋認証に失敗しやすい高齢者などの場合は顔認証は便利です。
ただ、顔認証は指紋認証と比べてセキュリティ面が少し弱いです。加えて、顔認証は電源を押さないと顔認証が行えないので、基本的には指紋認証を優先して、何かしらの事情で指紋認証ができない場合が多い場合は、顔認証を使う感じが適切だと思います。
その他の細々としたこと
WiFi 802.11ac対応
ZenFone 5QはWiFi 802.11acには対応しています。3万円以上のスマホだとほとんど対応しているので、特にこれと言ったことではありませんが・・。
USB Type C 2.0非対応
ZenFone 5QはUSB Type C 2.0に対応していません。Type Cは3万円以上のスマホだとほとんど対応しているのですが、ZenFone 5Qは残念ながらmicroUSBでの充電になります。
キャリアアグリゲーション対応
キャリアアグリゲーション(2CA)に対応しています。2CAは2つの周波数帯域の電波を掴んで通信ができる機能です。
1つの電波を掴むよりも、通信速度と通信の安定性が良くなるのですが、格安SIMの場合は通信速度のボトルネックがPOIという場所にあるので、電波をいくら多く掴んでも通信速度はほとんど変わりません。
ただし、電波のあまり良くない場所、車や電車で高速で移動中とかだと、格安SIMを使う場合でもキャリアアグリゲーションに対応していれば通信の安定性が少し良くなります。
2018年発売時のZenFone 5Qの評判
ZenFone 5Qの評判は普通です。悪くはないのですが、没個性というかなんというか。
自撮り性能が良いのでインスタ向けですが、インスタをよく使う若い人がZenFone 5Qの存在を知ることができるかというと、中にはいるとは思いますが微妙・・・。
性能的に価格は悪くはないのですが、ターゲットに届かない感じがします。
割と微妙なところにいるのがZenFone 5Qです。選んで後悔することはないと思いますが、戦う場所が少し悪いスマホな感じです。